走査電子顕微鏡(SEM)とは?基本原理や特徴について解説



走査電子顕微鏡(SEM)とは?基本原理や特徴について解説


AZ Science Thailandでは、数多くの理化学機器を扱っており、今回は走査電子顕微鏡(SEM)をご紹介いたします。

目次

  1. 走査電子顕微鏡(SEM)とは
  2. 走査電子顕微鏡の基本原理
  3. 走査電子顕微鏡の主な特徴
  4. 走査電子顕微鏡の応用分野
  5. SEMの最新技術と今後の展望

 

 

1. 走査電子顕微鏡(SEM)とは

走査電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope, SEM)とは、電子線を試料表面に照射し、生じる二次電子や反射電子を検出することで、試料表面形状や微細構造を高分解能で観察するための顕微鏡です。

SEMは透過型電子顕微鏡(TEM)とは異なり、試料に透過する電子ではなく、試料表面で反応を起こす電子を観察するため、試料の厚さや形状に依存しない利点があります。

SEMは、一般的には電子銃から放出された高速電子ビームが電磁レンズによって収束され、試料表面に照射されます。

照射された電子は、試料表面の原子や分子と相互作用を起こし、二次電子や反射電子を放出します。これらの放出電子は、各検出器によって収集され、処理され、画像として表示されます。

SEMは、高解像度、高倍率、高感度、高コントラストの観察が可能で、また、試料表面の形状を観察することができるため、微細加工や表面処理などの分野でも活用されています。

SEMは、エネルギー分散型X線分光法(EDX)、カソードルミネッセンス(CL)、結晶方位解析(EBSD)などの付加機能を搭載することで、試料の化学組成や電気的・物理的性質を詳細に観察することができます。

また、SEMの利点の一つに、非破壊的観察があるため、生物医学分野でも広く活用されています。

 

2. 走査電子顕微鏡の基本原理

走査電子顕微鏡(SEM)は、高速で細かい電子ビームを試料表面に走査し、でてきた電子を検出することで、試料表面の形態や微細構造を観察することができる分析技術です。

SEMの基本原理は、高速で加速された電子ビームが試料表面に照射され、試料表面から反射・散乱された電子が検出器に到達することにより、試料表面の形態や微細構造を観察するというものです。

電子ビームは高エネルギーであるため、試料表面に照射されると電子雲を形成し、その中で原子や分子が励起されて反応を起こすことがあります。

そのため、SEMでは試料表面の物理的性質や化学的性質の解析にも応用されます。

SEMは、標本の処理が比較的簡単で、非常に高い解像度を実現することができるため、材料科学や生物学など幅広い分野で使用されています。

また、SEMは電子線が試料表面に照射されるため、試料を破壊することがあるため、非破壊検査が必要な場合には注意が必要です。

 

3. 走査電子顕微鏡の主な特徴

  • 高い拡大倍率と高い解像度:光学顕微鏡よりも高い解像度で観察が可能。
  • 表面観察が可能:試料表面の形状や構造を詳細に観察できる。
  • 構成分析が可能:X線分析により試料の組成を調べることができます。
  • 操作が容易:短時間で観察を開始できる簡単な操作性。

 

4. 走査電子顕微鏡の応用分野

  • 材料科学:金属やセラミックスなどの表面構造の観察や欠陥検出。
  • 生物学:細胞や組織の形態観察。
  • 地球科学:鉱物や堆積物の構造解析。
  • 半導体製造技術:微細回路の形態や欠陥検出。
  • 環境科学:汚染物質や微粒子の詳細な観察。

 

5. SEMの最新技術と今後の展望

  • 3Dイメージング技術:内部構造の詳細な観察が可能に。
  • 高解像度の検出器の進化:より詳細な観察が可能。
  • 環境SEM:湿潤試料や生体試料の観察に対応。
  • AIによる画像解析:より迅速で正確なデータ解析。

 

SEMは現在進化を続けており、新たな分野での応用が期待されています。

 

走査電子顕微鏡(SEM)やその他の理化学機器について、さらに詳しい情報が必要な場合は、ぜひAZ Scienceまでお問い合わせください。

 
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